2011年11月13日日曜日

生徒達・・・

 素直で温かい生徒が多いように思う。よく挨拶もする。ひょうきんな生徒、やんちゃな生徒いろいろいる。
私は「~先生」ではなく「~ケン」とフルネームで呼び捨てで呼ばれている。キム先生が何度か「先生」と呼びなさいと指導していたがほとんどの生徒が「~ケン」と呼ぶ。ちなみに教頭先生や何人かの先生方も呼び捨てで呼んでくる。
まぁ我々日本人も外国人を結構呼び捨ててしまっているところがあると思う。他人からフルネームで呼び捨てられることなど初めてなのでなかなか新鮮ではある。


 「アンニョハセヨ」と挨拶をしてくる生徒が多いが、生徒にはできるかぎり日本語で対応することにしているので「こんにちは」と挨拶をしてくる生徒が増えてきた。
 ただ何回も会っているのに「はじめまして」と挨拶してくる生徒もいるし、朝なのに「こんばんは」と言ってくる生徒もいる。
 「~ケン、はじめまして、今何時ですか?」といつも時間を聞いてくる生徒もいる。この生徒はおもしろくて、私が時間を答えるとまたいろいろと質問してくる。
 「今日は何月何日ですか?」「11月8日ですが・・・。」「どこですか?」「え?」「どこですか?」「どこと言われてもここは学校だけど・・・。」「何をきますか?」「は?」「何をきますか?」・・・服のことかなと思い、自分のジャケットをつまみ「これのこと?」と言うと彼は少し語気を強め「何をきますか?」と言い、私に顔を近づけてきてじっと見つめてくる。私はたじろぎ「うーん、わからないなぁ~。モルゲッソヨ(分かりません)。」と首を振ると「~ケン、さようなら・・・。」とどこかへ行ってしまう。
 この生徒は授業の時は教科書も持ってこない。そして平仮名さえ全く読めない。だがチャレンジ精神は見習いたいと思う。
 他の生徒達も自分達の使う日本語が私に通じるのがとてもうれしいようなので、どんな生徒にも笑顔で温かく接することを心がけている。


服装が乱れていたり、ピアスをはめていたり、髪を染めているものもいる。タバコの匂いをさせているものもいる。生徒指導はかなりゆるい気がする。
ここは工業高校なのでほとんどが男子だがわずかに女子がいる。よく挨拶はしてくるし授業も真面目に受けるのだが、女子は全員ピアスをはめ、しっかりとメイクをしている。ピアスや指輪、ネックレスをしている男子もいる。
イ先生によると日本のドラマや映画で生徒達がみんな髪を染めていたり化粧をしていたりピアスをはめたりアクセサリーをつけているのを見て一挙に広まったとのこと。どの作品かわからないが、少し重い気持ちになった。生徒に聞くと「ゴクセン」や「クローズゼロ」かなんかのようだ。ドラマや映画の力は恐ろしい。
 以前授業中に質問を受けた。「日本の高校生の髪型は自由か?染めてもいいのか?」「タバコを吸ったらどうなるか?」・・・もちろんダメだよと言うと不思議そうな顔をする。日本の高校生はどんなイメージをもたれているのだろうか・・・。

 
 基本的にみんな勉強は好きではない。意欲を持って授業を受ける者はわずかである。
 それでもみんが自分に気を遣ってくれているのがわかる。「日本語なんかやる気ないけど、あの日本人なんだか張り切ってるから、かわいそうだし受けてやるか・・・」という心の声が聞こえてくるようである。
 それでも寝てしまう生徒がいるので起こしに行ったり、携帯を使用させないために何度も机間巡視しながらの授業はエネルギーを使う。
 優しい温かい日本人先生を通そうと思ったが、このあいだとうとう携帯を取り上げた。クラス全員が驚きの目でこちらを見つめていた。この生徒はいつも授業を盛り上げてくれていて、随分と私は彼に助けられていたのだが仕方ない。
 

 これから一波乱起こりそうである・・・。

こんなふうに生徒との関係が日々深まっていっている。

3 件のコメント:

たかはし さんのコメント...

そういう瞬間、あるな。
 こいつはきっと、このやさしく見せた自分に甘えているんだろう。
 でも、俺はな、今のお前の、その甘えを許せないんだよ、立場的に。実際に自分が大人だと見られる立場になると、俺はお前を生徒という子どもとして見てしまう。
 てめえも早く、大人になれ。

noburetasu さんのコメント...

「てめえ」とは、俺の生徒のことな。

健 さんのコメント...

はっきりいって今は生徒にものすごく助けられながら授業をしている。まぁ日本にいるときもそうだが・・・。

時々人間的な魅力で生徒を惹きつけている先生に出会ったりするが、自分の場合はなかなかそういうふうにはいかない。

たかはし君、自分はあの20代前半の頃と全く変わっていない。もちろん年はとったが精神的な成長はしていない。だから大人としてというよりも兄貴のような感覚でやりあってしまうのだ。

そんなことよりまた一杯やりたいね。